読書

太田 貴美・岡田 知弘「お母さん町長奮闘記 京都・与謝野町 共生と循環のまちづくり」

標記、読了。著者は京都府与謝野町長。京都大学の岡田教授は、第3部の対談に登場。 内容は、女性の町議、町長として地方政治に関わってきた著者の半生と与謝野町政についての紹介。私の先祖は野田川町(現:与謝野町)の出身であるため、興味が湧いて読んで…

中西孝樹『自動車』

中西孝樹『自動車』読了。 自動車産業のスケールの大きさを感じられるとともに、国内主要企業の社史概要も学べる、ミクロにもマクロにもお得な本。 出版が東日本大震災以前なので、サプライチェーン寸断についての考察がないことが残念。自動車 (日経文庫―業…

スティグリッツ『入門経済学』を読む その3

第3章 需要,供給,価格要約 価格と取引量を変数とし、ある財に対し、所与の価格における個人の需要量を結んだものが「需要曲線」である。需要曲線は通常、右下がりとなる。 同様に一つの企業の供給量を結んだものが「供給曲線」である。供給曲線は通常、右…

スティグリッツ『入門経済学』を読む その2

第2章 経済学的な考え方要約 経済学の最も基礎となる理論は、「基本的競争モデル」である。 基本的競争モデルでは、 ・個人は合理的に効用を最大化する ・企業は利潤最大化を目指す ・市場に参加する個人、企業ともにプライステイカー(各々の行動が価格に…

5S導入ハンドブック 見える・わかる・継続できる

西沢和夫『5S導入ハンドブック 見える・わかる・継続できる』読了。 トヨタ生産方式などの一手法、5Sについてわかりやすく解説している。 5Sとは、 ・整理 ・整頓 ・清掃 ・清潔 ・躾 の5つの頭文字(S)をとったものである。 5S活動の目的は、ム…

スティグリッツ『入門経済学』を読む その1

学生時代の勉強が話題になることがある。「経済学を専攻しました。」と答えているが、実はいわゆる経済学の教科書をしっかりと読み込んだことがなく、内心では心苦しい思いをしてきた。 そこで、今さらではあるが、経済学の教科書をしっかり読み込むことを決…

官僚に学ぶ勉強術

久保田崇『官僚に学ぶ勉強術』読了。 「資格試験などでは復習が全て。仕事では予習が全て。」という考えに共感。 著者の本は『官僚に学ぶ仕事術』も読んだが、自己啓発系のビジネス書の中では、一番もっともなことを言っていると思う。 本冊は試験勉強で良い…

サムエルソン『経済学』の時代

根井雅弘『サムエルソン『経済学』の時代』読了。 当時の主流派であった新古典派の経済学理論とケインズ経済学(マクロ経済学)理論の双方に通じ、その統合である「新古典派総合」的理論を編み出した経済学者サムエルソン。彼のベストセラー『経済学』を中心…

パンツをはいたサル

栗本慎一郎『パンツをはいたサル』読了。 ポストモダン思想全盛期の80年代を代表する一冊。経済学者である著者が、ポランニーの経済人類学の文脈で社会を語る。 人間は、他の動物に比べ「過剰」を内包する生物である。例えば、戦争による大量殺戮や生殖の伴…

日暮硯

『日暮硯』読了。 最近、江戸時代の藩政改革に関する本をよく読む。地域活性化のヒントがそこにあるような気がするからである。 『日暮硯』は、信州松代藩の家老、恩田民親(恩田木工)による藩政改革の様子を、後世の藩士である馬場正方が、説話集として残…

グレート・ギャッツビー

F.スコット.フィッツジェラルド『グレート・ギャッツビー』読了。 食わず嫌いだったアメリカ小説。デイジーとトムをどれほど嫌えるかで、読者にとってのこの小説の面白さが決まると思う。ギャッツビーの度を越した一途さが、より滑稽で物悲しく見えてくる…

『夜間飛行』&『「やめること」からはじめなさい』

サン=テグジュペリ『夜間飛行』読了。 飛行機による夜間配送という新規事業にかける、パイロットたちの職業倫理と誇りを描いた作品。職人としての資質の美しさが人の胸をうつのは、技術以上に、その心構えによるところが大きいのだろう。夜間飛行 (光文社古…

行政法入門

藤田宙靖『行政法入門』読了。 行政法の初級教科書として定評のある一冊。 いわゆる「小さな政府」を理想として、国家からの自由をいかに確保するかを志向していた行政法が、最近では、「大きな政府」を理想とする国家による自由をどう保障するかへと変貌し…

憲法入門

樋口陽一『憲法入門』読了。 今まで騙し騙し逃げてきたが、仕事上、法の知識が不可欠であるため、最近はこの方面の勉強を少しはするようになった。 この「憲法入門」は、逐条解説の類ではなく、読者に憲法の初歩的な考え方を身につけさせることが目的なので…

伊達政宗

山岡荘八『伊達政宗』読了 読みも読んだり全8巻。室町時代末期から江戸時代初期を生き抜いた、奥州の大名、伊達政宗の生涯を描いた大河小説。人生の各局面での多くの出会いを通じ、成長していく過程を描いた、優れた教養小説だともいえる。 数多くの戦国大名…

脱「国境」の経済学

P.クルーグマン『脱「国境」の経済学』読了 アメリカの経済学者、P.クルーグマンの講義録。経済地理学を基に、産業集積の発生メカニズムとそれを国際経済学へ適用することの重要性を説いている。 クルーグマンの主張は、概略次のようなものだ。従来の国…

働き方「何故働くのか」「いかに働くのか」

稲盛和夫『働き方「何故働くのか」「いかに働くのか」』読了。 京セラ、KDDIの創業者で、日本航空の会長である稲盛和夫のビジネス書。人間成長を果たし、価値のある人生を送るためには「働くこと」から何を学ぶかが重要である。また、「どこで働くか」以…