サムエルソン『経済学』の時代

 根井雅弘『サムエルソン『経済学』の時代』読了。

 当時の主流派であった新古典派の経済学理論とケインズ経済学(マクロ経済学)理論の双方に通じ、その統合である「新古典派総合」的理論を編み出した経済学者サムエルソン。彼のベストセラー『経済学』を中心に、現代経済学の隆盛を解説した思想史。

 今まで読んだ根井教授の著作の中で、最も面白かった。現代の経済学において、サムエルソンのもたらしたインパクトがいかに大きかったか。また、その後の経済学が、現実から乖離したモデル化偏重へと向かっていることがよくわかる。

 経済学という学問を理解をするうえで、有益な入門書。

サムエルソン『経済学』の時代 (中公選書)

サムエルソン『経済学』の時代 (中公選書)