スティグリッツ『入門経済学』を読む その2

第2章 経済学的な考え方

要約

 経済学の最も基礎となる理論は、「基本的競争モデル」である。
 基本的競争モデルでは、
・個人は合理的に効用を最大化する
・企業は利潤最大化を目指す
・市場に参加する個人、企業ともにプライステイカー(各々の行動が価格に影響を与えない)
私有財産の所有権が保証されている
 ことを前提とする。このモデルを応用し、様々な社会現象を検証するのが経済学である。

 個人、企業ともに選択の際にトレードオフに直面する。選択可能な範囲で、最も効率的な選択の集合を、機会集合という。個人の場合は予算制約線と時間制約線が、企業の場合は生産可能曲線がこれにあたる。

 選択する際に、価格以外に、費用も大事なインセンティブになる。考慮すべき費用としては、機会費用、サンクコスト、限界費用がある。機会費用の考え方から、比較優位理論が説明できる。