スティグリッツ『入門経済学』を読む その3

第3章 需要,供給,価格

要約

 価格と取引量を変数とし、ある財に対し、所与の価格における個人の需要量を結んだものが「需要曲線」である。需要曲線は通常、右下がりとなる。
 同様に一つの企業の供給量を結んだものが「供給曲線」である。供給曲線は通常、右上がりとなる。

 個々の需要曲線を足し合わせたものが「市場需要曲線」であり、同様に個々の供給曲線の和が「市場供給曲線」である。両曲線の交点をが均衡点であり、この1点では、財は過剰も不足もなく、最も効率的となる。価格、取引量は、通常この均衡点を指向する。

 外部の条件が変化せず、財の価格のみ変化する場合は、取引量は両曲線上で変化する。しかし、外部の条件が変化すると、需要曲線、供給曲線は各々シフトする。価格と取引量の変化は、曲線上の変化によるのか、曲線のシフトによっておこったのかを見分けることが重要である。需要曲線がシフトする要因としては、所得の変化、代替材、補完財の価格の変化、人口構成の変化等があげられる。供給曲線がシフトする要因としては、投入要素価格の変化、技術の変化、自然条件の変化、利子率の変化等があげられる。