スティグリッツ『入門経済学』を読む その1

 学生時代の勉強が話題になることがある。「経済学を専攻しました。」と答えているが、実はいわゆる経済学の教科書をしっかりと読み込んだことがなく、内心では心苦しい思いをしてきた。

 そこで、今さらではあるが、経済学の教科書をしっかり読み込むことを決心した。三日坊主にならないために、このblogにその足跡を残していこうと思う。

 定評のある教科書はたくさんあるが、今回はスティグリッツの『入門経済学』を選ぶことにした。

 その理由としては以下の3点。
 1 経済学の中心地、アメリカの標準的な教科書である
 2 高度な数学知識が必要でなく、文章による経済学的な考え方の習得を7目的に書かれている
 3 つい最近、新版の翻訳が出版され、価格も下がった

 章ごとに最低3回は目を通すことを目標に、無理をせず1週間に1章ずつ攻略することをノルマとしていく。7月半ばには読み終わる計画だ。各章ごとに要約・感想をblogにアップしていく。
 こういった学習が直接何かの役にたつわけではないことは十分承知している。これは私の意地に過ぎない。そんなしょうもない企画ですが、御感心のある方はお付き合いいただければ幸いです。


1章 現代の経済学

要約
 経済学とは、社会の経済現象を科学的に分析する手法である。
 分析は、蓄積された理論(Theory)と統計情報に基づき、モデル化を行う。経済学の視点として、次の5つの概念を用いる。
1 トレードオフ
2 インセンティブ
3 交換
4 情報
5 分配
 以上の分析をとおし、政策提言を行うが、政策分析としては「実証分析」と「規範分析」の観点がある。
 経済学者間で意見が分かれることが多いのは、実証分析ではモデルやその数量。規範分析では価値観の相違が主たる理由である。
 どの段階で差異が生じているかを考えることが、より良い政策分析へとつながる。

スティグリッツ入門経済学 第4版

スティグリッツ入門経済学 第4版