スティグリッツ『入門経済学』を読む その3
第3章 需要,供給,価格
要約
価格と取引量を変数とし、ある財に対し、所与の価格における個人の需要量を結んだものが「需要曲線」である。需要曲線は通常、右下がりとなる。
同様に一つの企業の供給量を結んだものが「供給曲線」である。供給曲線は通常、右上がりとなる。
個々の需要曲線を足し合わせたものが「市場需要曲線」であり、同様に個々の供給曲線の和が「市場供給曲線」である。両曲線の交点をが均衡点であり、この1点では、財は過剰も不足もなく、最も効率的となる。価格、取引量は、通常この均衡点を指向する。
外部の条件が変化せず、財の価格のみ変化する場合は、取引量は両曲線上で変化する。しかし、外部の条件が変化すると、需要曲線、供給曲線は各々シフトする。価格と取引量の変化は、曲線上の変化によるのか、曲線のシフトによっておこったのかを見分けることが重要である。需要曲線がシフトする要因としては、所得の変化、代替材、補完財の価格の変化、人口構成の変化等があげられる。供給曲線がシフトする要因としては、投入要素価格の変化、技術の変化、自然条件の変化、利子率の変化等があげられる。
スティグリッツ『入門経済学』を読む その2
第2章 経済学的な考え方
要約
経済学の最も基礎となる理論は、「基本的競争モデル」である。
基本的競争モデルでは、
・個人は合理的に効用を最大化する
・企業は利潤最大化を目指す
・市場に参加する個人、企業ともにプライステイカー(各々の行動が価格に影響を与えない)
・私有財産の所有権が保証されている
ことを前提とする。このモデルを応用し、様々な社会現象を検証するのが経済学である。
個人、企業ともに選択の際にトレードオフに直面する。選択可能な範囲で、最も効率的な選択の集合を、機会集合という。個人の場合は予算制約線と時間制約線が、企業の場合は生産可能曲線がこれにあたる。
選択する際に、価格以外に、費用も大事なインセンティブになる。考慮すべき費用としては、機会費用、サンクコスト、限界費用がある。機会費用の考え方から、比較優位理論が説明できる。
5S導入ハンドブック 見える・わかる・継続できる
西沢和夫『5S導入ハンドブック 見える・わかる・継続できる』読了。
トヨタ生産方式などの一手法、5Sについてわかりやすく解説している。
5Sとは、
・整理
・整頓
・清掃
・清潔
・躾
の5つの頭文字(S)をとったものである。
5S活動の目的は、ムリ・ムラ・ムダをなくし、業務の効率化・改善を図ることである。
補足すると工場の生産ラインでは、一つ一つの工程の利率が低く、そのために秒単位での業務効率化が必要とされる。
それにしても最後の「躾」は、語感的に、龍谷大学の三宅先生あたりは眉をひそめてるのだろうなぁ。
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スティグリッツ『入門経済学』を読む その1
学生時代の勉強が話題になることがある。「経済学を専攻しました。」と答えているが、実はいわゆる経済学の教科書をしっかりと読み込んだことがなく、内心では心苦しい思いをしてきた。
そこで、今さらではあるが、経済学の教科書をしっかり読み込むことを決心した。三日坊主にならないために、このblogにその足跡を残していこうと思う。
定評のある教科書はたくさんあるが、今回はスティグリッツの『入門経済学』を選ぶことにした。
その理由としては以下の3点。
1 経済学の中心地、アメリカの標準的な教科書である
2 高度な数学知識が必要でなく、文章による経済学的な考え方の習得を7目的に書かれている
3 つい最近、新版の翻訳が出版され、価格も下がった
章ごとに最低3回は目を通すことを目標に、無理をせず1週間に1章ずつ攻略することをノルマとしていく。7月半ばには読み終わる計画だ。各章ごとに要約・感想をblogにアップしていく。
こういった学習が直接何かの役にたつわけではないことは十分承知している。これは私の意地に過ぎない。そんなしょうもない企画ですが、御感心のある方はお付き合いいただければ幸いです。
1章 現代の経済学
要約
経済学とは、社会の経済現象を科学的に分析する手法である。
分析は、蓄積された理論(Theory)と統計情報に基づき、モデル化を行う。経済学の視点として、次の5つの概念を用いる。
1 トレードオフ
2 インセンティブ
3 交換
4 情報
5 分配
以上の分析をとおし、政策提言を行うが、政策分析としては「実証分析」と「規範分析」の観点がある。
経済学者間で意見が分かれることが多いのは、実証分析ではモデルやその数量。規範分析では価値観の相違が主たる理由である。
どの段階で差異が生じているかを考えることが、より良い政策分析へとつながる。
- 作者: ジョセフ E.スティグリッツ,カール E.ウォルシュ,藪下史郎
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官僚に学ぶ勉強術
久保田崇『官僚に学ぶ勉強術』読了。
「資格試験などでは復習が全て。仕事では予習が全て。」という考えに共感。
著者の本は『官僚に学ぶ仕事術』も読んだが、自己啓発系のビジネス書の中では、一番もっともなことを言っていると思う。
本冊は試験勉強で良い結果を出すための方法論なので、受験生にとって有益。お勧めしたい。
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官僚に学ぶ仕事術 ?最小のインプットで最良のアウトプットを実現する霞が関流テクニック? (マイコミ新書)
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