政策系大学・大学院研究交流会

 大学コンソーシアム京都で開催された、第7回政策系大学・大学院研究交流会を聴講してきた。

 大学コンソーシアム京都は、京都市及びその均衡に立地する大学と、地域社会や産業界、大学相互間の結びつきを深める目的で設立された組織だ。具体的には、加盟大学間での単位互換制度などを実施している。

 今回の研究交流会も、その一環で、毎年一度開催されている。内容をざっと説明すると、「社会福祉・思想」「行政」「地域活性化」などの決められたテーマに沿って、グループ単位で行った研究の成果を、それぞれのテーマ毎に用意された教室で順に発表するというものだ。グループは、主に大学のゼミナール単位のようだった。パネル発表もあったのだが、僕が見に行けたのは、教室でのグループ発表の一部のみだ。

 論文発表や政策提言を行う際の基本的なフレームワークとして、
・仮定(問題認識)
・実証分析
・結論(提言)
 といった手順を、最低限押さえる必要がある。

 あくまで僕が回れた発表のみの話になってしまうが、ほとんどのグループに対して、結論を自分たちの言葉でまとめられていないという印象を受けた。実証分析までは、なかなかよく頑張っていると思えるところが多いだけに、この点が残念だった。あとは実証分析に用いた文献である。もう少し適当なのがあるでしょう、と思えるような参考文献一覧が多かったが、このあたりの選択の問題は、学生よりもむしろ指導教官に責任があるのかもしれない。

 そんな中で、上記3点をしっかり押さえていた、京都大学大学院の発表は良かった。流石、公共政策大学院だけあって一味違うところを見せていたのではないかと思う。内容としては、京都市における芸術文化教育のアウトリーチへの提言だったが、欲をいえば、もう少し京都市独自の地域性についても言及してあればよかったのに、と思う。おそらくそのあたりもしっかり考えていたと思うが、15分という非常に限られた時間の中で、取捨選択があったのだろう。

 色々と批判的なことも書いたが、そもそもこういった場で発表しようという心がけ自体が、素晴らしいことだと思う。自分の学生時代を振り返った時、そんな積極性があったかどうか。発表に関わった学生の皆様に拍手を送りたい。