夢二とともに

 京都国立近代美術館で開催されている、竹久夢二作品展「夢二とともに」に行ってきた。

 頭と目がやたらと大きい独特の美人画は、その一つ一つにストーリー性があって親しみ易く、何よりあのレトロさがたまらない。個人的には色彩豊かなものよりも、少し色味を押さえてあるほうが好きだ。
 夢二は画壇では、あまり評価されていないが、当時の大衆文化へ大きな影響を与えた人であった。また、同時代の芸術家と交流を持ち、間接的に、後世の日本のシュールレアリスム作品や漫画技法にも影響を与えたという。絵の他に、童話や詩も書く多才であったが、挿絵や広告、デザインの仕事が特に多く、芸術文化の産業化の草分け的存在だった。
 岡崎の紅葉見物の帰りに寄った人も多かったようで、館内は、行楽客で賑わっていた。もう12月だが、季節は未だ芸術の秋である。